岡山県立大学保健福祉学部現代福祉学科 竹本 与志人 研究室

研究内容(科学研究費助成事業)

科学研究費 基盤研究(B):2024(令和6)年度~2028(令和10)年度

「MCI(軽度認知障害)と診断された人のための包括的支援モデルの開発」
 研究代表者:竹本与志人
 研究協力者:杉山 京・木村亜紀子・桐野匡史・合田衣里・多田美佳・広瀬美千代・神部智司・岡田進一・宇和典子・
       繁田雅弘

 本研究は,5年計画で実施する(3部構成)。第1部では,当事者や家族の心理・社会的状況と受診の有無の関係についてベイジアンネットワークを用いて実証するとともに,質的調査を実施して研究の妥当性を高める。第2部では,医療機関等のヒアリングに加え,認知症専門医のいる医療機関において診断後支援を行う専門職(ソーシャルワーカーや看護師等),地域包括支援センターの認知症地域支援推進員を対象に第1部で得られた受診の阻害要因への支援の状況について量的調査を行い,支援の実態と課題を明らかにする。第3部では,一連の研究成果をふまえて,MCIに特化した包括的支援モデルを開発する。

※詳しくは「科研費研究成果」をご覧ください。

科学研究費 挑戦的研究(萌芽):2022(令和4)度~2024(令和6)年度

「スーパービジョンを活用した高ストレス環境下における人材育成・管理モデルの検討」(課題番号:22K18558)
 研究代表者:竹本与志人  研究協力者:杉山 京・木村亜紀子・岡田 進一

 本研究の目的は、21世紀型の情報化社会に即した職場の人材育成・管理モデルの開発を目指し、その手掛かりとなる知見を得るため、医療ソーシャルワーカーを対象にスーパービジョンにおけるパラレルプロセスを可視化することである。現代の複雑化した情報化社会において労働者はメンタルヘルスが常に多方面からの圧力・監視にさらされる環境下に置かれている。高ストレス社会においてはかつてのフォーディズムによる生産手法・経営思想では職場定着は不可能であり、また近年普及しつつあるOJTでも不十分である。本研究では高ストレス下での人材育成・管理に有効なスーパービジョンに着目し、スーパービジョンの質を低下させるパラレルプロセスの実証により効果的なスーパービジョンの在り方を提示する。研究対象は高ストレス下で従事する職種である医療ソーシャルワーカーであり、定性的・定量的研究によりパラレルプロセスを可視化する。

※詳しくは「科研費研究成果」をご覧ください。

科学研究費 基盤研究(B):2018(平成30)年度~2022(令和4)年度

「認知症が疑われる高齢者に対する受診・受療援助に関する実践モデルの開発」(課題番号:18H00949)
 研究代表者:竹本与志人  連携研究者:桐野匡史・仲井達哉・神部智司・広瀬美千代・杉山 京
 研究協力者:倉本亜優未

 本研究の目的は,認知症が疑われる高齢者(以下,当事者)が発症初期段階で早期に受診・受療が可能となることをねらいに,認知症専門医療機関(以下,医療機関)の診療体制と連携を担当する専門職(以下,連携担当者)による受診・受療援助の実態を解明し,社会福祉の視点から診断・治療が円滑になるための実践モデル(ソーシャルワーク実践モデル)を開発することである。2018(平成30)年度の研究目的は,社会福祉の視点からの診断・治療が円滑になるための実践モデルの開発に有用な資料を得るため,当事者や家族介護者を対象に医療機関の診療体制や連携担当者の実践すべき援助業務を探索することであった。当該年度は3つの研究を実施した。第一に,先行研究を基に文献的検討を行い,認知症者とその家族介護者が医療機関に求めている機能や役割を分析した。第二に,認知症者の家族介護者を対象にインタビュー調査を実施した(2府県において15名を対象に半構造化面接またはフォーカス・グループインタビューを実施した)。第三に,鑑別診断時に焦点化し,医療機関における当事者とその家族への対応内容を確認するため,3県を対象にアンケート調査を実施した。結果,居宅介護支援事業所の介護支援専門員の協力により188名分の調査票が配付され,111名分の調査票を回収することができた(回収率:59.0%)。

※詳しくは「科研費研究成果」をご覧ください。

科学研究費 挑戦的萌芽研究:2016(平成28)年度~2018(平成30)年度

「認知症者の経済支援に対する介護支援専門員の能力開発に関する研究」(課題番号:16K13437)
 研究代表者:竹本与志人  連携研究者:仲井達哉・杉山 京
 研究協力者:倉本亜優未・谷口将太

 本研究の目的は,居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象に,認知症者の在宅療養支援に有用な社会保障制度の知識と経済状況に応じた社会保障制度の選定能力を明らかにし,能力開発のためのプログラムを提示することである。
 2016(平成28)年度は,2府県内にある11の居宅介護支援事業所に勤務する介護支援専門員13名を対象に個別またはグループインタビューを実施し,居宅介護支援を担当する認知症者の「経済的な理由から介護サービスの利用を制限する状況」について尋ねた。質的調査の結果をふまえ,調査項目を作成してアンケート調査を実施した。調査対象はA県内の全居宅介護支援事業所656ヶ所の介護支援専門員(各1名)であり,294名分の調査票を回収した(回収率:44.8%)。
 2017(平成29)年度は,前年度の質的調査等の結果を踏まえてアンケートを作成し,量的調査を実施した。具体的には,高齢の認知症者の事例問題を示したアンケートを1,500か所,若年の認知症者の事例問題を示したアンケートを1,500か所の居宅介護支援事業所へ送付した。アンケートの内容は,回答者の属性(性別,年代,経験年数,所持資格,雇用形態,ケアプラン担当数,回答者の所属する事業所の設置状況や運営主体など)のほか,事例問題に対する設定した社会保障制度の活用の活用の可否,社会保障制度に関する相談先の意向,経済問題を抱える利用者の有無などであった。結果,前者の回収数は505通(事業所廃止が24か所あったため実質配付数1,476通,回収率34.2%),後者の回収数は478通(事業所廃止が28か所あったため実質配付数1,472通,回収率32.5%)であった。
 2018(平成30)年度は,前年度までの成果を整理した。前年度の調査結果を各種学会で報告し,得られた助言などを手掛かりに,学会誌への論文投稿ならびに調査研究報告書の作成を行った。

※詳しくは「科研費研究成果」をご覧ください。

科学研究費補助金 特別研究員奨励費:2015(平成27)年度~2017(平成29)年度

「地域包括支援センターを対象とした認知症が疑われる高齢者への受診援助に関する研究」
 研究代表者:杉山 京 (受入研究者:竹本与志人)

 本研究の目的は,認知症が疑われる高齢者の円滑な早期受診が実現可能となるための有用な資料を得ることをねらいに,地域包括支援センターの専門職を対象に認知症が疑われる高齢者への受診に向けた援助とそれに伴う医療機関等との連携の実態ならびにそれらに影響を与える要因について明らかにすることである。
 2015(平成27)年度は,地域包括支援センターの専門職における認知症が疑われる高齢者への鑑別診断等の実現に向けた受診援助の具体的内容とそれらを促進・阻害する要因を明らかにすることを目的とし,認知症が疑われる高齢者の早期発見・早期受診に関連する既存の研究の文献レビューおよび地域包括支援センターの専門職に対してインタビュー調査を実施した。
 2016(平成28)年度は,前年度に実施した「インタビュー調査」による研究結果に基づき,地域包括支援センターの専門職による認知症が疑われる高齢者への受診援助の実践を促進・阻害する要因を明らかにすることを目的に「アンケート調査」を実施した。35都道府県内に設置されている地域包括支援センターのうち,2,000か所を無作為抽出し,各センターに3通ずつ,計6,000人を対象にアンケート調査を実施した。
 2017(平成29)年度は,2015(平成27)年度に実施したインタビュー調査ならびに,2016(平成28)年度に実施したアンケート調査の両調査結果を統合し,研究成果の一般化を図るため,再度アンケート調査を実施した。全国47都道府県内に設置されている地域包括支援センター全5,036箇所を対象に,インターネットを活用したWebアンケート調査を行った。回答は当該機関に勤務する1,200人の専門職(社会福祉士,保健師,主任介護支援専門員など)から得られた。

※詳しくは「科研費研究成果」をご覧ください。

科学研究費 基盤研究(C):2011(平成23)年度~2014(平成26)年度

「血液透析患者の心理的変容過程と家族心理に関する研究」(課題番号:23530736)
 研究代表者:竹本与志人  連携研究者:村社 卓・桐野匡史・佐藤ゆかり
 研究協力者:杉山 京・木村亜紀子・仲井達哉

 本研究の目的は,血液透析患者の心理的変容過程を明らかにし,各心理段階における家族介護者の心理の関連を明らかにすることである。
 2011(平成23)年度は文献収集ならびに文献的検討を行い,血液透析療法に関する医学情報の収集,血液透析患者や主介護者の現状などを情報収集した。さらに,研究関係者での協議,岡山県腎臓病協議会(患者会)との打ち合わせを行った後,岡山県腎臓病協議会会員とその主介護者各々500名を対象に予備調査を行った。
 2012(平成24)年度は透析患者の心理的適応に向けた心理的段階と変容過程を明らかにすることを目的にインタビュー調査を実施した(調査対象者は現在心理的適応状態にある透析患者6名)。
 2013(平成25)年度は前年度までの成果を踏まえ,岡山県内の透析患者2,000名ならびにその主介護者2,000名,計4,000名を対象にアンケート調査を実施した。
 2014(平成26)年度は前年度で得られたデータの解析等を行い,その結果を学会で発表を行いながら分析モデルを再検討し,調査研究報告書の作成等を行った。

※詳しくは「科研費研究成果」をご覧ください。

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